早期経営改善計画策定支援(通称:ポストコロナ持続的発展計画事業、略称:ポスコロ)を実施しました #238

経営のヒント

ポスコロとは

正式名称は、早期経営改善計画策定支援と言い、経済産業省のホームページには次のように記されています。

本事業は、資金繰りの管理や自社の経営状況の把握などの基本的な経営改善に取り組む中小企業者等が、国が認定した税理士などの専門家の支援を受けて資金繰り計画やビジネスモデル俯瞰図、アクションプランといった内容の経営改善計画を策定する際、その費用の2/3を補助することで、中小企業者等の早期の経営改善を促すものです。

また、本事業は、計画策定支援を通して、自己の経営を見直すことを目的としているため、過去に本事業を利用した事業者は支援の対象外としておりますが、令和4年度及び令和5年度に限って、新型コロナウイルス感染症、ウクライナ情勢又は原油価格の高騰等によって影響を受け業況が悪化した事業者については、2回目の利用を認めております。

通称をポストコロナ持続的発展計画事業と言い、私たち診断士は、略称のポスコロという言葉を使っています。

ここで言う専門家とは、認定支援機関のことです。税理士も含まれますが、税理士でこれを活用されている方は少ないようです(そもそも知らない?、知っていても面倒?)。

405事業

ある事業者から経営改善の相談がありました。

資金繰りが厳しそうだったことから、当初は、経営改善計画策定支援(405事業)の方を活用しようとしましたが、スピードを優先し、手間暇がかかる405事業ではなくポスコロを選択しました。

私は約2年前、405事業の勉強のために、東京の中小企業大学校で中小企業経営改善計画策定支援研修(実践研修)を受講し、判定試験にも合格していました。その知識を活かしたかったのですが、事業規模から考えてもポスコロで十分だったと思います。

窓口

福岡では、福岡県中小企業支援協議会が窓口になっています。福岡商工会議所ビルの7階に事務所があります。

ポスコロを引き受けるに当たり相談に行きましたが、丁寧に対応していただき、感謝しています。

税金を使うということで、請求では厳格に書類審査が行われます。補助金の支払申請(応募ではない)したことがある方はご存じだと思いますが、条件が細かく決められていて相当神経を使います。

この点についても、協議会から指導をしていただきました。有り難いことです。

チーム

ポスコロを行うために、他の中小企業診断士にも協力をしていただきました。複数人でチームを組んで経営改善計画をまとめるのです。1人で考えるより良い案が出ること、事業が1~2月だったことで税理士としての仕事も重なったことがその理由です。

事業の流れ

  1. 金融機関との事前相談
  2. 事業者と認定支援機関が連名で福岡県中小企業支援協議会に支援申込み
  3. 計画策定・モニタリング
  4. 金融機関に計画書を提出
  5. 事業者から認定支援機関へ費用の1/3を支払い
  6. 福岡県中小企業支援協議会へ支払申請
  7. 福岡県中小企業支援協議会から残りの2/3を支援

ざっとこのような流れです。

補助金額

補助金の補助率は2/3ですが、上限は25万円(内訳:計画策定支援費用15万円、伴走支援費用5万円、伴走支援費用(決算期)5万円)です。つまり、全体の費用が375,000円以上であれば上限の25万円です。

支払申請には計画書を添付します。これは5ページ程度のもので良いのですが、これだけでは経営改善には不十分と考え、40ページもの報告書を別途作成しました。また、支払の申請など、書類を揃えるのにも結構手間がかかります。

「1件で375,000円で事業者は125,000円で済む」とは、事業者も認定支援機関も美味しい話のように聞こえるかもしれませんが、認定支援機関の方は、投下した時間を考えると利益率は高いとは言えません。私が要領が悪いのでしょうけど。効率的に、5ページの計画書だけで済ませるのであれば、適正な報酬かもしれませんが、それでは私の性格が許しませんでした。

伴走支援

この事業は、認定支援機関に、伴走支援が義務付けられています。

今回の場合、1年後に計画どおりに実施されたのかモニタリングし、もしも達成できていなければ、新たな改善方法を提供する予定にしています。

最後まで支援しない認定支援機関を排除するためか、前述の補助金の1/2は支払いが保留され、伴走支援の報告後に支払われます。したがいまして、計画策定支援費用の15万円は最初の申請では75,000円のみが振り込まれます。事業者の資金繰りのために支援していますが、私の資金繰りは考慮されません…。

まとめ

いずれにしても、事業者の経営改善を願っての事業です。財務計画は5年後まで作成しましたが、順調に目標を達成していただかないと、私の立つ瀬もありません。

引き続き、(言われなくても)伴走支援を続けていきたいと思います。

経営改善の必要性が認められる事業者、資金繰りに悩んでいる事業者の方々には、(405事業も含めて)積極的に活用していいただきたい事業です。

【編集後記】

2023年4月から、農地の権利を取得する要件である下限面積制限が撤廃されるという話を聞きました。耕作放棄地を減らすには有効かもしれません。

これにより、どのくらい新規就農者が増えるのかは不明ですが、可能ならば私も利用してみたいと考えています。家庭菜園レベルですが、その他の条件(すべての農地を効率的に利用、必要な農作業の常時従事、周辺の農地利用に支障がない)を満たせるのか、知り合いの農業関係者に尋ねてみようと思っています。

ただ、この制度、土地の値上がりを目的とした者に悪用されないかも心配です。

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