家庭裁判所の調停委員に任命されました #203

その他

はじめに

恥ずかしながら、2年前までは、調停委員という方々の存在を知りませんでした。

1つ年上の熊本のH先輩が退職されるとき、「退職したら調停委員をやる」とおっしゃっておられ、「へぇ、そういうものがあるのか。」「でも、面倒そうだし、たいへんだろうな。」程度にしか考えていませんでした。

調停とは

今年、大阪のN先輩からの年賀状に「調停委員になりました」の一言が添えられていました。

これを機に、調停について、ネットでいろいろと検索してみました。裁判所のホームページでは、次のように掲載されています。

調停とは,私人間での紛争を解決するために,裁判所(調停委員会)が仲介して当事者間の合意を成立させるための手続です。調停委員は,裁判官または調停官と共に調停委員会のメンバーとして,当事者双方の話合いの中で合意をあっせんして紛争の解決に当たっています。調停は,どちらの当事者の言い分が正しいかを決めるものではないので,調停委員は,当事者と一緒に紛争の実状に合った解決策を考えるために,当事者の言い分や気持ちを十分に聴いて調停を進めていきます。また,調停委員は,自分が直接担当していない事件についても,他の調停委員会の求めに応じて専門的な知識経験に基づく意見を述べることもあります。

調停委員は,調停に一般市民の良識を反映させるため,社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持つ人の中から選ばれます。具体的には,原則として40歳以上70歳未満の人で,弁護士,医師,大学教授,公認会計士,不動産鑑定士,建築士などの専門家のほか,地域社会に密着して幅広く活動してきた人など,社会の各分野から選ばれています。

調停には,地方裁判所や簡易裁判所で行う民事調停と家庭裁判所で行う家事調停があり,調停委員も,民事調停委員と家事調停委員に分かれています。その基本的な役割は,同じですが,事件の内容等に応じて,最も適任と思われる調停委員を指定するなどの配慮をしています。例えば,民事調停では,建築関係の事件であれば一級建築士などの資格を持つ人,医療関係の事件であれば医師の資格を持つ人など事件内容に応じた専門的知識や経験を持つ調停委員を指定しており,また,家事調停では,夫婦・親族間の問題であるため,男女1人ずつの調停委員を指定するなどの配慮をしています。

なお,調停委員は,非常勤の裁判所職員であり,実際に担当した調停事件の処理状況を考慮して手当が支給されるとともに必要な旅費や日当が支給されることになっています(民事調停法第10条,家事事件手続法第249条第2項)。

H先輩へ電話

知り合いが2人も調停委員になられたことから、好奇心が湧いてきました。

H先輩に電話で聞いてみると、次のような情報が得られました(聞き間違いがあったかもしれませんので、申し添えます。)。

  • 4月と10月に試験がある。
  • 申し込むには、推薦人が必要である。[2021/11/25 応募には自薦と他薦があり、自薦の場合は必要ではないことが判明しました。]
  • 報酬は僅か(1日数千円)であり、収入に期待するものではない。
  • 事前準備に時間がかかり、その時間は報酬の対象ではない。
  • 委員は皆さん、社会貢献として従事されている。
  • 自分の仕事を持ちながらできる。
  • 日程が合わなければ、その案件は断ることができる。
  • 自分は、月5件程度である。

家庭裁判所

現職時代は、訴訟担当もやっておりましたので、裁判所へはしょっちゅう出向いていましたし、法廷の中で発言したりもしていました。そのため、裁判所に対するアレルギーは私にはありません。

直接、裁判所に調停委員のことをお尋ねすることとし、電話をしました。担当課長がお相手してくださることになりました。おおむね、前述の裁判所ホームページに記載されていることの説明を受けました。

H先輩に電話し、推薦状を書いていただくようお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。感謝!

そして、2021年2月、履歴書と推薦状を裁判所に提出しました。

その後6月に面接試験を受けました。結果が出るのは9月で、仮に任官する場合は10月からとのこと。

結果、10月1日付けで、「家事調停委員に任命する」との最高裁判所からの辞令をいただきました。任期は、2年間です。

ちなみに、当然のことながら調停の中身は守秘義務がありますが、自分が調停委員であることを公表することには問題はないとのことです。

新任の調停委員研修で、他の調停委員の方からは、「ペアとなる女性の調停委員の方がしっかりされている方が多いそうですよ。安心してください。」と励まされました。有り難く心強いです。

行政機関への協力

税務署勤務時代は、多くの民間の方々から、税務行政に対してご協力をいただきました。行政に文句を言っているばかりの方もいらっしゃる中、ボランティア的な活動です。頭が下がります。

私も退職したら何か行政のお役に立ちたいと、ずっと考えていました。現時点では、八女税務署の確定申告相談と個別指導方式による記帳指導を行っています。まぁこれは、組織への恩返し的な活動ですが、行政のお役には、少しは立っていると思っています。

他には、農林事務所からのセミナー講師依頼を引き受けることでしょうか。

そして、今回は、行政ではありませんが裁判所への協力です。

他にも頼まれれば、私でできることなら協力したいと思っております。

【編集後記】

最近2件、出入国在留管理局に提出する書類の仕事が入りました。まったく別ルートからの依頼で、時期が偶然重なりました。中小企業診断士として、経営を評価してほしいとのこと。「このような仕事もあるのか。」「面白そうだし挑戦してみるか。」と引き受けました。

1件は昨日納め、もう1件は来週の月曜を納期としています。この仕事の最終結果が出るのは少し先ですが、いつかブログで報告いたします。

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