採択者発表
2023年2月6日、令和元年度補正予算・令和3年度補正予算「小規模事業者持続化補助金」について、第10回受付締切分(2022年12月9日公募締切分)の採択者が発表されました。
この中には、私が代表を務める法人も入っております。知り合いの中小企業診断士仲間にも手伝っていただき、申請していたところでした。
今回の採択率は不明ですが、過去の結果を見ると、50%~60%ぐらいです。つまり、2件に1件弱は、申請しても通らないということです。
幸い、私は、(他の補助金を含めて)補助金採択率100%を維持しております!
小規模事業者持続化補助金とは
主に販路拡大に使える補助金です。その中には「通常枠」、「賃金引上げ枠」、「卒業枠」、「後継者支援枠」、「創業枠」、「インボイス枠」があります。私が今回の申請したのは「通常枠」で、補助率は、補助事業に係る経費の2/3(最大50万円)です。
他の補助金に比べて上限額は少ないのですが、販路を拡大したい小規模事業者には、とても有り難い補助金です。
事業計画書
他の多くの補助金同様、自身の補助事業が補助金(税金)を支給するにふさわしい事業であることを、事業計画書という形にして訴えます。
「いくらかかるからいくらちょうだい。」ではありません。補助金(税金)は、国から事業者への投資です。最終的には、税金として国や地方公共団体に還元してもらわなければなりません。
そして、事業計画の内容が投資に相応しいかを審査・採点され、通常は評価(点数)が高い順に補助金予算の範囲内で採択されます。
さて、小規模事業者持続化補助金においては、事業計画書は、(経費明細書及び資金調達方法を除いて)A4用紙で最大8枚程度と指示されています。
事業計画書は、一般的には、深く検討すればするほど厚くなってきます。また、申請者は、自身の事業計画が他より高い点数になるよう目一杯アピールしたがります。それを8枚に収めるというのも技術が必要です。逆に、4~5枚以下の計画書でしたら、高得点は望めないと思われます(よほどまとまった内容でしたら別ですが。)。
申請した経費
当該補助金の対象となる費目には、①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費、⑫委託費、⑬外注費、があります。
今回の申請の中身は次のとおりで、すべて「②広報費」でした。
- ファサード看板の制作・設置費
- 電柱看板製作費及び掲出料
- 新聞折込のデザイン、印刷及び配布費
- のぼりのデザイン・制作費
- 市広報誌のデザイン・広告出稿費
「既存事業では、認知度が高まれば売上が増加する。」という根拠を、過去のデータから明らかにした事業計画書を作成しました。そして、認知度を高める方策を中心とした施策を提案したところです。
欠点
この小規模事業者持続化補助金には、大きな欠点があります。それは、「タイムリーな販路拡大ができない」ことです。
私が販路拡大をしたいと思い立ち、補助事業の検討をスタートさせたのは、2022年11月12日(土)です(構想はそのもっと前です。)。そして、補助金採択発表は2023年2月6日(月)。さらに、「採択されましても、『補助金交付決定通知書』がお手元に届く前に発注・契約・支出行為を実施した場合、補助金のお支払いができなくなりますので、ご留意ください。」とのメールが届いており、フライングできなくなっています。販路拡大のためのチラシなどのデザインを1日も早く発注したいのですが、まだできません。
今週、決定通知書が届くとしても、思い立ってから3か月後です。「今すぐ行動し、販路をすぐに拡大したい。」という事業者には向きません。他の補助金も同様です。ただし、事業再構築補助金の場合は、「事前着手申請」という制度が例外的に認められています。
他にも、「必ず採択される訳ではない」という欠点もあります。前述のとおり、2件に1件弱は落ちるのですから、この申請のために投入した労力、時間、お金が無駄になる可能性があります(事業を深掘りするということ自体は、長い目で見れば利点ですけど。)。
採択後の義務
「補助金交付決定通知書」には、採択された金額が記されています。(勘違いされている方もいらっしゃいますが)この金額を補助してもらえるわけではありません。補助事業に着手し、その事業が終了したときには、「実績報告書」を提出しなければなりません。
そして、実施した事業内容の審査と経費内容の確認等により交付すべき補助金の額が確定し、やっと振り込まれます。ただし、ここでの審査で不可とされた場合は、実際にお金を支払っていても、その支出が小規模事業者持続化補助金の対象になりませんので、慎重に事を進める必要があります。
また、今後5年間、関係書類を保存するとともに、会計検査院等が実地検査に入ることがあり、不正などがあれば返還義務が生じます。
今後の事業計画
いずれにしても、決定通知書が到着し次第、補助事業に着手します。今から準備を進め、広報活動(販路拡大)は3~4月がメインとなるでしょう。ただ、私は税理士でもありますので、確定申告時期と重なっているので時間が取れるのかを心配しているところです。
投資に見合った売上(利益)増加となるかどうか、今期が終了した時点で明らかになります。目標を立ててしっかりと取り組むことになりますが、この点についても補助金(事業計画書作成)の長所と言えるでしょう。
【編集後記】
岸田首相が、「育児中などさまざまな状況でも、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししていく」と発言したことに対して、「たいへんさが分かっていない!」などと批判が噴出しています。
しかし、発言をよく見ると、「育児中」ですので、「産後すぐ」に限った話ではありません。また、「取り組む方」と言っておられるので、「取り組めない方に取り組め」ともおっしゃっておられません。この文を読んだ限りでは、「やりたい方がいたら応援しますよ。」という意図にしか私は読み取れません。良い事です。(ちなみに私は、特定の政党を指示しておりません。)
最近、「子育てがたいへん!」ということが政治の場やマスコミで盛んに言われています。確かにそうだと思いますので、それは否定しません。しかし、子どもを持つ(育てる)ことは、たいへんさの何倍もの幸せや喜びを感じておられる方が多いのではないかと思っています。そうでなければ、人類はとっくに滅亡しています。
少子化が問題になっている今、「子育てがたいへん!」という意見ばかりを取り上げると、余計少子化が進みそうで心配でなりません。子育ての良さも議論してほしいものです。
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