補助金に関するお仕事

経営のヒント

開業から50日間の仕事

税理士としての収入は、現在のところ毎月少ししかありません。「税理士=稼げる」と思われているようですが、開業したてで直ぐに多くの収入を得られるような、甘い職業ではありません。帳簿を見せていただく仕事です。また、長くお付き合いしていただく職業です。ひたすら信用を積み上げていかないと、どなたからも相手にしていただけません。

一方、中小企業診断士としては、補助金に関するお仕事がいくつか舞い込みました。こちらは単発の仕事ですから、人間性は置いておいて(笑)、結果さえ出せば良いからです。この50日間は、この業務に手一杯という感じです。今日も午後から、ある所へプレゼンテーションに伺います。

補助金とは

国はさまざまな政策目標がありますが、国(公務員)だけでそれを達成するのは困難ですので、個人や団体の協力が必要です。その政策目標を達成するために、その目的にあった事業を、国民に、広く取り組んでもらうことがとても重要です。そして、そのための補助金の制度です。

補助金は、国の政策ごとに、いろいろなジャンルで申請を募集されています。

ものすごくたくさんありますが、毎年、予算化された範囲内でしかされません。それぞれの補助金の「目的・趣旨」といった特徴をつかんで自分の事業とマッチする補助金を見つける必要があります。補助金申請を業とされている中小企業診断士は、日々補助金をチェックされていることでしょう。

募集要項等で補助対象となる経費・補助の割合・上限額などを確認します。通常は、1/2補助や2/3補助が多いです。3/4補助や全額補助というものもあります。また、逆に1/2や1/3は自己資金で負担が必要です。自己資金を出すという本気度を計っていると考えて良いでしょう。

補助を出すのか出さないのか、また、いくら補助するのかは、「事前の審査」と「事後の検査」によって決定します。審査には「申請」が必要です。ポイントをわかりやすくまとめて申請する必要があります 。事業(支出)が終わったら報告書を提出します。この申請と報告が面倒なので、諦める方も多いかと推察しています。そのため、専門家にお願いするという方法を採られることも多いことでしょう。

補助金は後払い ( 精算払い ) です。事業を実施した後に報告書等の必要書類を提出して検査を受けた後、はじめて受け取ることができます。つまり補助金は、一時的には全額を立て替えておく資金力が必要です。

申請書の内容記載には、コツ(ノウハウ)があります。補助金申請を得意とされている専門家は、このコツ(ノウハウ)を上手く掴んでおられる方です。

補助金申請のお手伝いは、特に制限はありませんが、専門的になっておられるのはほとんど中小企業診断士です。税理士も少数派ですがいらっしゃいます。

補助金申請には手間暇がかかります

補助金申請をされた方はお分かりでしょうけど、申請や報告は、結構大変です。それはそうです。国民の税金をいただくのですから。また、後から会計検査院の眼が入りますので、お役所もきちんと確認されます。

補助金の趣旨や目的に合うのかどうか、その支出は不正ではないのかなどを検討されますので、こちら側は書類を完璧に作り上げ、また、用意しなければなりません。

多くの方は、この作業が大変なので、該当しそうだけど申請しないのかもしれません。1件の補助金について、来月初旬に報告書を作成するものがあります。申請以上に、報告書の作成は量が多いし、気を遣います。そして、それが通らないと補助金はいただけません。

この手間暇を考えたら、補助金申請は、専門家に任せた方が良いでしょう。私もビジネスでやっていますが、細かく面倒です(笑)。

手掛けた補助金

私が今まで手掛けた補助金等は、予定も含めて次のとおりです。

  • 筑後市創業者支援補助金(1件)
  • 筑後市新型コロナウイルス感染拡大防止休業支援金(2件)
  • スポーツ事業継続支援補助金(2件)
  • 持続化給付金(3件)
  • 熊本県事業継続支援金(1件)

簡単なものも混じっていますけど、現在のところ、少ない実績ですけど採択率は100%です。持続化給付金は簡単過ぎて、報酬をいただいておりません(申し訳なくていただけません。)。

この実績を維持することができれば、中小企業診断士として信頼(補助金に関して)していただけるかもしれません。

補助金申請は、入学試験みたいなもので、合否判定がされるまでは心配です。公募要領には、ヒントは書いてあるけど答えは書いてありません。

採択率

一般的に補助金の採択率は50%程度と聞いていますが、今般の新型コロナウイルスに関する補助金は、もしかしたら採択率は高いのではないかと予想しています。

通常時期の補助金の採択率は、専門家に依頼すると70%程度に上がるとも聞いていますが、逆に言えば、専門家でも30%落ちるのだと改めて気を引き締めなければなりません。

補助金の外部審査員

ある補助金の、提出された申請を審査する仕事も請け負いました。申請する側と反対側に立った仕事です。

結構な数を、短期間にこなしましたが、とても勉強になりました。皆さん、どのように申請されているのか、また、どのような申請が採択されるのか、採択されないのか、良い経験をさせていただきました。

まとめ

補助金申請は、事業の資金繰りの助けになりますので、積極的に利用しましょう。

他方、補助金申請は手間暇が掛かる上、採択されない可能性があります。なるべく、専門家に依頼されることをお勧めいたします。

【編集後記】

諸先輩方からは、「開業してもしばらくは暇だよ」と言われていましたが、おかげさまで暇がありません。

やはり、資格(今回は中小企業診断士)は強いと、改めて感謝しています。

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