「他店より1円でも高ければチラシをレジに 同額を保証」というスーパーの戦略

経営のヒント

価格競争の果てに

上の画像は自宅近くのスーパーで撮影したのですが、似たようなものは家電量販店でも見かけます。

最初は「すごい!」と思いました。

どこまで値下げするのだろうか、ついに価格競争もここまで来たのかと。消費者のためには有り難いけど、そんなに下げたら利益は出ないのでは? などと心配までしていました。

でも、先輩診断士からこの戦略の真の目的を聞いたところ、本当の理由は、違いました。

独占禁止法をくぐり抜ける上手い制度

昔は、あちらが下げたからこちらが下げるという価格競争が頻繁に行われていました。しかし、これは、体力勝負のチキンレースであり、お互いに利益が減ってしまいます。

企業の本心は、業界内で話し合い、価格を取り決めたいところですが、このような「カルテル(話し合い)」は、独占禁止法で禁止されています。

そこで生み出されたのがこの、「同額保証」です。

企業における同額保証のメリット

以前は、他店がどこまで下げきれるか腹を探り合い、より安くするという行為が行われていましたが、それが必要無くなります。最大の値引きは、他店と同じ価格までにすれば良いだけです。

この店では、「他店より安く」とは言っておりません。「他店と同額を保証」しているだけです。お客にとっては、価格が同じなら、チラシを持ちこの店を出て、わざわざその店に足を運ぶことはあまりないでしょう。

以前は、毎日のように他店を調査していましたが、そのような調査費(人件費など)も不要です。

また、安売りで勝負しようとしている他店への牽制にもなります。「あなたがどんなに安くしてもウチより安くはできないよ」と。

まとめ

同額保証制度は、価格競争を回避する上手いやりかたです。

この戦略は、お客様のためでもありますが、最も利益を得るのはそのお店です。

【編集後記】

世の中の誰かに役立つ情報をと、平日は毎日ブログを更新しています。まだ慣れないせいか、1つの記事を書くのに2時間程度を費やしています。文字数が多いのもありますが、執筆の腕を上げ、半分くらいの時間で書き上げるよう修行中です。

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