会計の専門家である税理士が戸惑う クラウド会計ソフトfreeeの設計思想③「タグ」 #231

税金や会計のヒント

補助科目

補助科目とは、勘定科目を細分化したものです。例えば、「預り金」勘定では補助科目として「所得税」「住民税」「社会保険料」などを、「水道光熱費」勘定では「水道代」「電気代」などを設定します。これらは決算書には出てきませんが、経営を管理するのに役立ったり、経理の間違いを探しやすくなったりします。

先日、ある相談者から、「freeeは補助科目がないから使いにくいんでしょう?」と聞かれました。freeeを批判される方々がよくおっしゃる意見です。この相談者もそのような情報をネットで拾って来られたようです。

タグ

確かに、freeeには、補助科目がありません。

しかし、それに代替するものが、あります。それが、「口座」(以下参照)や「タグ」です。

freeeの「タグ」には、「取引先」「部門」「品目」「メモタグ」セグメントの5つがあります。

これは、freeeヘルプセンターから引用した図です。

このようにマトリクス構造になっていますので、使いこなすことができれば、分析や検索に大いに威力を発揮します。「複数の視点からの補助科目がある」といったイメージです。

タグの種類ごとに色も違いますので、とタグの種類の関連性を覚えていると、とても見やすいです。

freeeは、については他にも、工夫があります。自動で取り込んだ情報も「青系統は収入赤系統は支出」として、でも内容が分かるよう工夫されています。

ただ、私の場合、これに慣れるのに、少し時間がかかりました…。

ちなみに、マネーフォワードには、他の会計ソフトと同様に補助科目がありますが、その他に「タグ」でも分類します。そういった点では、freeeもマネーフォワードも似た思想で作られていると感じています。

用語解説(freeeヘルプセンターからの引用)

  • 口座…現金・銀行・クレジットカード・その他によって分類される。「普通預金」の補助科目は「口座」となる。
  • 取引先…「取引の相手方」を入力する。主に「売掛金」や「買掛金」の補助科目が「取引先」となる。
  • 品目…取引において扱ったものを入力する。商品別の内訳管理といったように色々な用途で利用することができる。主に「売上高」や「仕入高」の補助科目が「品目」となる。
  • メモタグ…「取引先」「品目」のいずれにも該当しない場合に利用する。特に決まった利用用途はないが、メモタグの特徴として1つの取引に複数個付けることができる。取引先と品目以外の用途で利用したい場合に使う。例えば、プロジェクト管理をメモタグで行う、といった使い方も可能。
  • セグメント…自由に設定できる分析のための集計軸。事業やエリア、施設毎など自由な項目が使用できるため、管理会計において自社の状況にフィットする財務分析が可能となる(法人プランのプロフェッショナルプラン以上のみ使用可能)

【編集後記】

昨日は4回目のワクチンを接種してまいりました。副反応としては、注射した部分の痛みがあるだけです。

過去の株と違って現在は、重症化する割合が極めて低いそうですね。そろそろマスコミも、「新規感染者数」で大騒ぎするのは終わりにしてもらえないかと、切に願っています。(このネタを続ければ、番組制作は楽なのかもしれませんけど、もっと大事なものを見落としているかもしれませんよ。)

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