公平、中立、簡素
租税は、「負担の公平」、「経済への中立」、そして「制度の簡素」という三つが大原則です。
ただ、こうした三つの原則については、常に全てが同時に満たされるものではありません。例えば、簡素をある程度犠牲にして公平を重視するかあるいはその逆の場合もあります。あちらを立てればこちらが立たない、いわゆるトレードオフの関係です。
近年は、「公平」に重きがおかれ、毎年のように「簡素」からはどんどん離れていく税制改正が続いています。この流れは、止められないかもしれません。
おススメアプリ
今年の年末調整及び年明けの確定申告においては、更に複雑になった所得税法に多くの方が戸惑いを覚えられるかもしれません。
税務職員も税理士も、ITを使わずに税額を計算するのは困難なことでしょう。
そのため、年末調整を行う給与支払者の方には、次の2つのアプリのいずれかを活用されることをお勧めします。
国税庁が作成した年末調整アプリ
年末調整に係る控除申告書を作成するアプリです。パソコン版とスマホ版があり、国税庁ホームページからダウンロードできます。無料です。今年、初めて提供されました。
ダウンロードからインストールするまでにちょっと癖がありまして、最初上手くいきませんでした。しかし、ネットで検索したら同じような問題に直面されたいろいろな方が対応策をアップしてくれていましたので助かりました。
SmartHR
株式会社SmartHRが提供するアプリです。
テレビでもCMしていますので、ご覧になられた方もいらっしゃるでしょう。
従業員30名までは無料です。こちらもパソコン版とスマホ版があり、クラウドで管理します。
入力も、各従業員が自分のスマホから行いますし、インターフェイスは分かり易くなっています。
私は国税OBですが、国税庁のアプリよりもこちらの方を、よりおススメいたします。
まとめ
複雑になった「年末調整」。これを機に、アプリを使って大幅に作業を効率化させましょう。
【編集後記】
先週、数件の年末調整のお手伝いをしました。
皆さん、きちんと証明書を揃えておられましたので、比較的容易にチェックが済みました。
源泉徴収制度は、サラリーマンは確定申告が不要になりますし、国はその分人手が不要になります。そのため、非常の良い制度として日本では長く定着してきました。しかし、これだけ複雑になると、中小企業や個人事業主には酷になってきたと感じています。
そのため、まずは、税負担の公平と関係がない(遠い)、生命保険料控除及び地震保険料控除を廃止していただけないかと願っています。
コメント