40年余り前と現在の所得税法を比較してみました。 #125

税金や会計のヒント

税額表

納税相談のためにコンパクトに税法をまとめた「税額表」なるものを税務関係者は持っています。

私は、これをずっと保存しています。今回、私が税務の仕事に携わりはじめた時期(昭和54年分)と、現在(令和2年分)のものと比較してみました。

所得税の税額表

昭和54年分令和2年分
例えば、「所得金額117,000円から118,000円までは税額11,700円」と所得1,000円から1,999,000円まで100円刻みの税額が記されています。 2,000,000円以上は、速算表で計算します。

税率は、最低10%、最高はなんと75%(8,000万円以上)です。19段階に分かれていました。
速算表のみとなっています。 他に、復興特別所得税の項目があります。

税率は、最低5%、最高は45%(4,000万円以上)です。7段階に分かれています。

所得控除

医療費控除額

昭和54年分令和2年分
(医療費から差し引くのは)5万円と「所得金額の合計額の5%」とのいずれか少ない方の金額(医療費から差し引くのは)10万円と「所得金額の合計額の5&」といずれか少ない方の金額 さらに、セルフメディケーション税制による医療費控除があります。

小規模企業共済等掛金控除

令和2年分には、「確定拠出年金法の企業型年金加入者掛金若しくは個人型年金加入者掛金(iDeCoの掛金など)」の文言が増えています。

生命保険料控除

昭和54年分令和2年分
1種類のみで、最高控除額は50,000円です。3種類に増え、最高控除額は120,000円です。

地震保険料控除額(旧:損害保険料控除額)

昭和54年分令和2年分
長期損害保険契約最高15,000円+短期損害保険契約最高3,000円で、合計して最高15,000円が限度です。地震保険契約等は最高50,000円+左の長期損害保険料控除額で、合計して最高50,000円が限度です。

寄附金控除額(旧:寄付金控除額)

昭和54年分令和2年分
「寄付金の支出額」と「所得金額の合計額の25%」とのいずれか少ない方の金額-10,000円「特定寄附金の額」と「所得金額の合計額の40%」のいずれか少ない方の金額-2,000円

※ 微妙に名称が変更されています。

障害者控除額

昭和54年分令和2年分
障害者…230,000円
特別障害者…310,000円
障害者…270,000円
特別障害者…400,000円
同居特別障害者…750,000円

老年者控除額

昭和54年分令和2年分
65歳以上…500,000円(廃止)

寡婦控除額

昭和54年分令和2年分
230,000円270,000円

ひとり親控除額

昭和54年分令和2年分
(新設)350,000円

勤労学生控除額

昭和54年分令和2年分
230,000円270,000円

配偶者控除額

昭和54年分令和2年分
一般…290,000円
老人…350,000円
控除を受ける本人の所得制限はありません。

一般…380,000円
老人…480,000円
控除を受ける本人に所得制限があります
また、配偶者の所得金額に応じて控除額が変わります。
別に配偶者特別控除の制度があります。

扶養控除額

昭和54年分令和2年分
一般…290,000円

老人…350,000円
同居老親等…400,000円
一般…380,000円
特定扶養…630,000円
老人…480,000円
同居老親等…580,000円

基礎控除額

昭和54年分令和2年分
290,000円

480,000円
本人の所得に応じて控除額が変わります。

税額控除

配当控除額

あまりにも複雑になりすぎて、書けません…。

住宅借入金等特別控除額(旧:住宅取得控除額)

あまりにも複雑になりすぎて、書けません…。

なお、昭和54年当時の最高限度額は、30,000円でした。

住宅貯蓄控除額

昭和54年分令和2年分
積立額×6~10%(最高限度額30,000円)(廃止)

昔は無くて今は有る税額控除

  • 政党等寄附金特別控除額
  • 認定NPO法人等寄附金特別控除額
  • 公益社団法人等寄附金特別控除額
  • 住宅耐震改修特別控除額
  • 住宅特定改修特別税額控除額
  • 認定住宅新築等特別控除額

その他の控除

事業専従者控除額

昭和54年分令和2年分
400,000円
配偶者…860,000円
配偶者以外…500,000円

青色申告特別控除額(旧:青色申告控除額)

昭和54年分令和2年分
100,000円100,000円、550,000円又は650,000円

公的年金等控除額(旧:老年者年金特別控除額)

昭和54年分令和2年分
780,000円公的年金等に係る雑所得の速算表により計算

所得金額調整控除額

昭和54年分令和2年分
(新設)給与等の収入金額が850万円を超える者がある条件を満たした場合、一定の計算により控除されます。

まとめ

これらを眺めていると、所得税は、この40年間で大幅に減税されていることが分かります。

【編集後記】

台湾農家の主力農産物の一つである台湾パインは、中国の嫌がらせ(器が小さいと思うのですが…)により、中国への輸出ができなくなりました。そこで、EUなど諸外国が救済の手を差し伸べています。日本へも輸入が増加しているそうです。

東日本大震災では、台湾の多くの方々は日本人に手を差し伸べてくださいました。その恩返しがしたいのですが、近くのスーパーに売っていません。もっと輸入してほしいです。

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