ファイナンシャルプランナーが勧める老後資金の確保策 #51

家計のヒント

公的年金の将来

マスコミが煽るので、若い方の中には「年金は崩壊する」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。現行法律の規定では、皆さん公的年金を受給できます。ただし、金額が減少したり、支給年齢が後ろ倒ししたりする可能性はあります。

厚生労働省のホームページでは、「公的年金は、長期的に収支のバランスが取れる仕組みになっています。ちゃんと検証もしていますよ!」とあります。

ご心配なら、わたしとみんなの年金ポータルに詳しく書かれていますので、ご覧ください。

公的年金の受給開始

昭和36年(女性は昭和41年)4月2日以降に生まれた方は、老齢基礎年金(財源の一部は国民年金)及び老齢厚生年金(財源の一部はサラリーマンが職場で天引きされている社会保険)の受給開始年齢が65歳に引上げられています。

私は、昭和35年生まれなので、老齢厚生年金のみ64歳から受給することができます。

ちなみに、老齢基礎年金の方は、60歳から65歳になるまでの間でも繰り上げて受け取ることができます。1年間の受給額は減りますけど。60歳まで繰り上げると、76歳以上生きると全体の受給額でも損になります。

ところで、公的年金は、女尊男卑になっています。しかも、平均的には女性は男性より長生きなので、さらに有利な制度です。

66歳以後に受給を繰下げ

老齢基礎年金も老齢厚生年金も、現行のルールでは70歳まで受給を繰り下げることができます。

最大限繰り下げると、年金の受給額は、最大42%とかなり増額されます。

「早く死んだら損ではないか」という理由で、繰り下げに否定的な意見もあります。しかし、これは確率論です。何歳から受給しようが「確率的には」同じ受給額になります。今の体の状況(健康度合い)を考え、「自分は長生きしそうだな」と82歳以上生きることができる自信がある方は、70歳からの繰り下げをおススメします。

現在政府は、75歳までの繰り下げを検討しているそうです。私も健康には自信がありますが、さすがにそこまでの繰り下げは求めていません。

繰り下げるためにはそれまでの生活費の確保を

まずは、「働く」という選択肢です。社会に関わることで精神的にも安定すると言われます。認知症予防にも効果がありそうです。

私は税理士兼中小企業診断士として創業する道を選びました。税務署の同期の多くは、再任用という道を選びました。おそらく65歳まで働くことでしょう。

ただ私は、結局65歳から何をするのかを考えると、そこでの選択が必要になります。選択の後ろ倒しのように感じて、今創業する道を選択しました。

なお、現役世代の方におススメするのは、iDeCoとつみたてNISAです。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

加入者の拡大により公務員がiDeCoに加入できるようになったのは3年ほど前です。税務職員もたくさん加入しています。

iDeCo全体の加入者は、2年前に「100万人突破!」のニュースが出て、今年は既に「150万人突破!」のニュースが出ました。

この増加した部分の多くは、公務員と会社員です。

iDeCoのメリットに多くの皆さんが気付き始めたのでしょう。①全額社会保険料控除の対象になる、②運用益が非課税、③受け取るときも控除があることで節税効果が高いというのが大きいのでしょう。

一方、解約できない(条件が厳しい)というデメリットもあります。でも、逆に、「しっかりと貯められる」と考えればメリットにもなります。

つみたてNISA

NISAがパッとしなかった(人気がなかった)ので生まれたのが、このつみたてNISAです。

こちらも投資信託の運用利益にかかる20パーセントの税金が非課税になるという特典があります。

解約できますので、60歳までお金が拘束されるiDeCoと比べて融通がききます。

なお、年間の積立て上限額は、400,000円です。

投資するならインデックス型がおススメ

投資信託には、ハイリスクハイリターンからローリスクローリターンのものがあります。ハイの代表的なものがアクティブ型と呼ばれるもので、ローの代表的なものがインデックス型と呼ばれています。

長期保有する場合は、統計的に、値動きが少ないインデックス型(ローリスクローリターン)の方が、かなりの高い割合で得をすることが分かっています。

とはいえ、投資ですから元本割れの可能性はあります。あわてずにしっかりと勉強し、ご自身の責任において投資してください。

まとめ

老後資金は、その時になって考えるのではなく、何歳であろうとも、今直ぐに考えるべきものです。生き方そのものでもあります。

検討材料として、iDeCoとつみたてNISAをおススメします。

【編集後記】

私が、老後資金のことを考え始めたのは、30歳を過ぎたころからです。計画どおりに過ごしてまいりました。今、30年前の自分を褒めてあげたいと思う次第です。

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