インボイス導入後フリマアプリやネットオークションで事業者が事業用資産を売買した場合の消費税 #207 

税金や会計のヒント

インボイス導入前

フリマアプリやネットオークションは、個人間の取引ということで表面上は消費税がかかっていないように見えても、事業者にとって事業用資産の販売価格は、消費税を含めた金額として取り扱われます。

したがいまして、購入者が課税事業者の場合、帳簿及び請求書等の両方が保存されていれば、仕入税額(購入額の110分の7.8又は108分の6.24)を控除することができます。また、販売者が課税事業者の場合、課税売上に計上する必要があります。

インボイス導入後

インボイス制度が導入されれば、仕入税額控除を行うためには、インボイスの保存が義務付けられます。

したがいまして、販売者が課税事業者で、かつ、インボイスを交付してくれた場合に限り、購入者は仕入税額控除が可能です。

フリマアプリやネットオークション事業者の対応

フリマアプリの代表格であるメルカリ、ネットオークションの代表格であるヤフーオークションのサイトを見ましたが、インボイスにどのように対応するのかの記載は見つけられませんでした。

私は、出品者の情報に「適格請求書等(インボイス)発行事業者登録者名とその登録番号」などの表示が新たにできるのではないか、と予想しています。そうなれば、課税事業者は、課税仕入控除ができます。購入側の課税事業者は、同じモノを購入(落札)するなら、こちらを選ぼうとするので、インボイス登録業者は少し有利になるかもしれません。

【編集後記】

先週、農業経営研修会「農家のための成長支援メソッド」と題したセミナー講師を務めて参りました。対象は、農業リーダー及び関係機関職員です。指導的立場におられる方々に対して、経営指導の方法を紹介することがテーマです。

行動経済学をからめて、決算書の見方、キャッシュフロー計算、労働生産性などをお話ししてきました。特に、若い農業リーダーの方々は、やる気に満ち溢れ、講師としても充実した2時間でした。

「また機会があれば、彼らに接したいな。」と感じた次第です。

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