事業のための借入金返済が必要経費にならない理由 #121

税金や会計のヒント

ある日の申告相談

昔、申告相談にお見えになった納税者の方の決算書をチェックしていたら、借入金の返済が必要経費の中に含まれていました。

私が「これは経費になりません。」とお伝えすると、納税者の方は「この借入金は、事業に使ったものです。その返済だから、当然必要経費です。」と反論されました。

説得法

私の説明能力が不足していたので、なかなか納得してくださいませんでした。

複式簿記を理解されている方なら、貸借対照表と損益計算書の違いがお分かりですから、説明は簡単です。

しかし、簿記の知識が少ない方は、単式簿記で考えられるのでこういった問題が発生します。

当時、どのように説得したのかは覚えていませんが、おそらく、次のように説明したのでしょう。

説得法その1

「返済が経費になるとしたら、借りたときには収入に入れておかなければなりませんよ。」

説得法その2

「借りたお金は確かに事業に使われたのでしょう。そして、その支出は必要経費として計上されていませんか。返済も経費になると、結果的に、1回の支出で経費が2回発生することになってしまいます。」

仕訳

100万円借りて毎年10万円返済する場合、複式簿記での仕訳は次のようになります。

[借入時] (資産)預金   1,000,000円 / (負債)長期借入金 1,000,000円

[返済時] (負債)長期借入金 100,000円 / (資産)預金 110,000円

     (費用)支払利息   10,000円

ちなみに、借入金の利息は必要経費になりますので、申し添えます。

これで、すべての方が納得していただけるのか不明ですが、他に説明する方法が思い付きません。

【編集後記】

私は長く、スポーツくじ「BIG」(1枚300円)を購入し続けています。「BIG」は「toto」とは違い、14個の数字はコンピュータが勝手に選びますので、どちらかと言えば、「賭け」というよりも「宝くじ」です。

そして、そのためだけに楽天銀行に口座を開設し、毎週自動で300円引き落とされています。

先週金曜日、楽天銀行から「入金のお知らせ」メールが届きました。入金は、「BIG」の当選金しか考えられません。

ドキドキしながら口座を開いたら、6等300円の入金でした。5つはずれだから9個は当たっていたようです。去年も同じようにドキドキしながら見たら、5等570円の入金でした。年に1度くらいは入金があるので、このドキドキ感を購入しているようなものです。

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