月次訪問
先日、クライアントの事務所を訪問し、年末調整資料についての説明をしました。
この方には、来年は自分でやっていただくことにしていますから、一つ一つの用紙について説明したのですが、やはり分かりにくいということでした。
まず問題なのは、本年分(令和2年分)と来年分(令和3年分)の書類が混じっていることでしょう。未経験者は、こんがらがります。さらに言えば、年末調整は年に1回の作業である上、法律が毎年のように変わるので、毎回勉強し直す必要があります。
税理士と顧問契約する際は、年末調整まで含めて依頼するのか確認しておきましょう。手間がかかるので、通常、別料金となります。
そこで、次回の訪問までに、来年以降のための簡単な説明資料を作ることをお約束して帰りました。せっかく作ったので、一部を公開いたします。詳しいことは、税務署から送られた「年末調整のしかた」と「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」をご覧ください。
なお、私は以前、このブログで次のとおり年末調整アプリを紹介しましたが、こちらの従業員はお二人だけなので、(扶養なども考えると)かえって非効率だ考え、おススメしてきませんでした。
4つの資料の分類
税務署から送付された用紙の中に、源泉徴収や年末調整に必要なものが4種類が入っていると思います。クライアントの封筒には、各3枚ずつが入っていました。
- 令和2年分 給与所得者の保険料控除申告書
- 令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
- 令和3年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 令和3年分 給与所得退職所得に対する源泉徴収簿
まずは、「1.」「2.」の「令和2年分」の用紙と、「3.」「4.」の「令和3年分」の用紙に分けて考えましょう。前者は、今年の年末調整に使うものです。そして後者は、来年の源泉徴収及び年末調整に使うものです。
また、「1.」「2.」「3.」は従業員(給与の支払いを受ける者)が記載する用紙で、本人に書いていただき提出してもらいます。「3.」は来年に使うのですが、効率のためにいっしょに提出していただくのが一般的です。←これも、こんがらがる理由の一つかもしれません。
「4.」は給与の支払者が使用する用紙ですので、従業員に渡す必要はありせん。
なお、これら4種類とも、事業主が保存する書類であり、税務署へ提出する必要はありません。税務調査などの際に提出していただければ、結構です。税務署へ提出するのは、法定調書と呼ばれる書類です。
令和2年分 給与所得者の保険料控除申告書
令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
令和3年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
令和3年分 給与所得退職所得に対する源泉徴収簿
【編集後記】
簡単な説明資料です。全部を説明するには大変ですが、この区分だけでもご理解いただければ、源泉徴収及び年末調整も少しはスムーズに行くのではないかと期待しています。なお、クライアントには、これ以外にもマニュアルを作成して説明いたします。
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