インボイス導入で考える③ インボイス導入のために使える3つの補助金(IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金) #225

税金や会計のヒント

インボイス導入にかかる費用

インボイス導入にかかる費用として、私が思い付くのは、次のとおりです。

  1. システム導入(修正)費用
  2. インボイス対応のための専門家への報酬
  3. 請求書や領収書などの印刷代(手書きの場合)
  4. 取引先が適格請求書発行事業者であるかどうかの確認作業(人件費)
  5. 取引先が免税事業者であった場合の対応検討(人件費)

3.については、新規に印刷する際に、インボイスとして成立する内容を入れればよいだけですので、大したことはないでしょう。

4.5.は、淡々とやるしかないですね。

1費用かかりそうなのが、1.のシステム関連費用です。ただ、多くの事業者が、複数税率が導入された際のシステム導入(改修)に、インボイス対応も同時に行っていたと思いますので、今更慌ててやるところは少ないと想像しています。

使える補助金

本日現在、以下のとおりだと思います。今後、新たな補助金が導入されたり、他の補助金に追加されたり、さらには地方公共団体が独自に用意することもあるかもしれませんので、アンテナを張っておいてください。

なお、ここに記した内容は、概略です。詳しい内容は、それぞれのホームページから応募要領をご確認ください。

IT導入補助金 通常枠(A・B類型)

事業目的

本事業は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイスの導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入するための事業費等の経費の一部を補助等することにより、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を図ることを目的とする。

経費区分

ソフトウェア費、導入関連費

補助率

1/2以内

補助下限額・上限額
  • A類型:30万円~150万円未満
  • B類型:150万円~450万円
審査項目

政策面からの審査項目として、「インボイス制度の導入に取り組んでいるか」という審査事項があります。

なお、加点となる取組は、「導入するITツールとしてインボイス制度対応製品を選定していること。」です。

IT導入補助金 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

事業目的

独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下「中小機構」という。)が複数年にわたって中小企業・小規模事業者等の生産性向上を継続的に支援する「生産性革命推進事業」内の「IT導入補助金」において、デジタル化基盤導入類型(以下、「本事業」という)を設け、新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者等を支援するとともに、インボイス制度への対応も見据えつつ、企業間取引のデジタル化を強力に推進するため、「通常枠」よりも補助率を引き上げて優先的に支援する。

経費区分

ソフトウェア購入費、導入関連費、ハードウェア購入費

補助率

2/3以内~3/4以内

補助下限額・上限額
  • ソフトウェア購入費・導入関連費:5 万円~350万円以下
  • PC・タブレット等:下限なし~10万円
  • レジ・券売機等:下限なし~20万円
審査項目

事業面からの審査項目として、「自社がインボイスにも対応するための、生産性向上にもつながる効果的なツールが導入されているか」という審査事項があります。

小規模事業者持続化補助金 インボイス枠

事業の目的

小規模事業者および一定要件を満たす特定非営利活動法人(以下「小規模事業者等」という。)が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度の導入等)等に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。

要件

2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録が確認できた事業者であること。

補助対象経費
  1. 機械装置等費
  2. 広報費
  3. ウェブサイト関連費
  4. 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
  5. 旅費
  6. 開発費
  7. 資料購入費
  8. 雑役務費
  9. 借料
  10. 設備処分費
  11. 委託・外注費(※)

(※)「インボイス制度対応のための取引先の維持・拡大に向けた専門家(税理士、公認会計士、中小企業診断士等)への相談費用」が含まれています。

補助率

2/3

補助上限

100万円

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり補助金には、一般型(通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠)とグローバル展開型がありますが、ここでは、一般型(通常枠)を記載します。

事業の目的

中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い生産性を向上させるための設備投資等を支援します。

概要

革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援

補助対象経費
  • 機械装置
  • システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
補助金額
  • 従業員数5人以下 100万円~750万円
  • 6人~20人 100万円~1,000万円
  • 21人以上 100万円~1,250万円
設備投資

単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必要

まとめ

インボイスにストレートな補助金は、IT導入補助金です。他の2つは、財務省からの指示でインボイスを追加した感じで、直接的とは感じにくいところです。申請に当たっては、上手な表現が必要かと思います。

補助金ですから、必ず採択されるというものではありません。それぞれ、競争率はそれなりにあります。時間と費用を掛けるリスクをご検討の上、申請してください。ご自身ではできないとお考えであれば、中小企業診断士にご依頼ください。

【編集後記】

痛風が治まり、昨日、ランニングを再開しました。30分程度しか走っていないのですが、1か月振りということで今日も疲れが少し残っています。そのため、今日のランニングはお休みし、また明日走る予定です。

秋に出場予定のフルマラソン大会に向けて、徐々にペースを上げて持久力を付けながら、体重は減らしたいと思います。

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