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ネットで検索すると、「国税庁のデータ」と称して「3年で50%、10年で6%の企業しか残らない。」(数字は、サイトによってバラツキがあります。)という記事をよく見かけます。ホントでしょうか? 私には信じられません。ガセネタだと思っています。
記事を書いた方は、データの根拠を調べて書かれていると思いますが、これの元となるデータがどこにあるのか教えてくださると有り難いです。。
元国税庁職員として不思議に思うのは、国税庁がこのようなデータを発表するのか?ということです。国税庁にとって特に必要なデータではありません。元の職場で、そのようなものは見たことがありません。このようなデータが必要なのは、経済産業省でしょう。
廃業率
2021年版中小企業白書を見ると、過去40年、廃業率は4%前後で推移しています。初年度を100として、それに96%を5回乗じる(5年後)と81.5%、10回乗じる(10年後)と66.5%です。(以前からある会社も分母に含まれているでしょうから、若い企業に限定したら、数字は少し下がるかもしれません。)
こちらの数字であれば、自分の感覚に合います。
日本では、諸外国と比較して起業者が少ないそうです。欧米とはセーフティネットの違いはあるかもしれませんが、「日本人はリスクを取りたがらない」とは良く言われていることです。
起業者が減少している一つの理由が、前述の「国税庁のデータ」と言われるものかもしれません。確かに、この数字は衝撃的ですので、これが正しければ、私も起業を躊躇したことでしょう。
でも、実際に10年後に6%しか企業が残らないなら、開業率が相当高くない限り、皆さんの周りは失業者で溢れていることでしょう。白書での開業率は、廃業率よりわずかに上を推移(近年は4~6%)するレベルです。この現実を考えたら、「国税庁のデータ」は信用に値しません。リスクを取って起業に挑戦してみましょう。
【編集後記】
昨日は、創業されたクライアント(30歳代)の開始残高を計算し、freee(クラウド会計ソフト)に入力しました。この貸借対照表が数年後、どう成長していくのか楽しみで仕方がありません。
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