申告相談会場
今年の確定申告は、前年同様期限が延長され、4月15日まで続きます。税理士界への応援要請は3月初旬に終了しており、私は1月から3月までに4日間従事しました。
多くの納税者は、税理士に依頼したり、ご自分で電子申告(e-Tax)したりされていますので、申告相談会場に来られるのは、ご自身で申告書を作成できない方が中心です。
その中でも多いのは、やはり高齢者の方々です。
「リタイヤした高齢者でも申告しないといけないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、高齢者の方々は年金という収入がありますので、一定以上の収入がある方は、原則として確定申告が必要です。また、義務がない方でも税金の還付を受けるために申告される方もいらっしゃいます。
電子申告
現在、多くの方が電子申告(e-Tax)やスマホ申告、紙で出される場合でも国税庁ホームページから印刷して申告されています。
一方、コンピュータやインターネットに触れる機会が少ない方もたくさんいらっしゃいます。そして、その中には、高齢者の割合が高いです。申告相談会場にお見えになる方のうちに高齢者が占める割合が高いのはそのせいです。
そして、これらの方々は、「いまさら」と言って、それらに触ろうとされない方々でもあります。
100歳を過ぎようが、義務がある方は確定申告しなくてはなりません。歩行が困難な方も、まじめに申告相談会場にみえられます。中には、酸素注入器を装着したまま来られる方もいらっしゃいます。立派な方々ですが、一方で、「(申し訳ないな。)」「(免除できないの?)とも思います。
提言
そこで、税制改正の提言です。
公的年金を源泉分離課税にするのです。
源泉分離課税とは、源泉徴収で課税が完結する制度です。
日本では、預金利息がそうです。分離されていますので、どれだけ利息があろうとも、確定申告はしなくてもよいです。というか、申告できません。また、給与所得者も源泉徴収されますが、これは分離課税ではありませんので、申告することができます。源泉分離課税とは、申告しなくても良い制度ですが、申告できない制度でもあります。もちろん、他の所得については、申告義務が発生することがあります。この場合においても、源泉分離課税に関わる収入は、申告から除きます。
そうなれば、多くの年金受給者(高齢者)の方々は、確定申告の義務がなくなることでしょう。そして、「税を納める」という社会参加も果たせます。
税率は、例えば、「年金額の5%にする」とかはいかがでしょうか。現在の年金の税収をプラスマイナスゼロになるような率であれば、1%でも2%でも差し支えありません。
コロナ禍の中、税務署は工夫して三密を避ける努力をしていますが、それでも、多くの方々が集まることには変わりありません。
重症化しやすい高齢者の方々が確定申告会場に来なくても良いように、是非とも税制改正を行っていただきたいと、切に願っています。
【編集後記】
最近は、日中は暖かくなりました。一年中で一番好きな季節です。
私は、「一年中同じ季節になる場合、四季のうちどれが良いか?」と聞かれたら、「夏」と答えます。一方、「四季のうちどれが良いか?」と聞かれたら、「春」と答えています。
「春」は大好きな「夏」がもうすぐ来るというワクワク感がありますが、私にとっての「夏」は大好きが故にピークであり「次は秋で、その次は冬か。」と考えてしまいます。
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