経営理念、ビジョン(望ましい未来像)、ミッション(果たすべき使命)、バリュー(行動指針)の作り方

経営のヒント

経営理念の必要性

私が勉強したTACのテキストでは、「経営理念とは、経営者もしくは企業が表明するその企業の行動指針、企業の抽象的・理念的な目的、規範、理想、価値観などを意味する。」されています。私の具体的なイメージは、羅針盤です。羅針盤無しの船や飛行機に乗るのは怖くてできません。そのくらい重要だと考えています(「今はGPSがある」というツッコミは脇に置いておいて。)。木で言えば、根っこにあたる部分です。

経営理念は、多くの企業で採用されています。コマーシャルの意味も少しはあるのかもしれませんが、企業の成長にとって真に必要だからです。

自分自身に向ける言葉でもありますが、これを公開することで、ステークホルダー(消費者、従業員、取引先、地域社会、株主、金融機関、行政など)への信用を得られることがあります。特に、従業員の方には、その背景も含めて理解しておいてもらわねばなりません。

また、融資のヒヤリングで担当者の方から、補助金申請のヒヤリングで審査員から、「御社の経営理念を教えてください。」と聞かれるかもしれませんよ。

経営理念等の作り方

経営理念、ビジョン、ミッション、バリューそれぞれの境は、あいまいです。ご自身がこうだと思うものを当てはめていけば良いでしょう。

経営理念等を作るには、自分が「何を思うのか」「どこを目指すのか」を考えます。そしてその背景・動機には何があるのか。自分の進む方向がブレないために、また、初心を忘れないための最適な言葉を選びましょう。さらに、独創性や優位性を明確にすればするほど、その後の動きが力強くなります。

私のそれはプロフィールに書いておりますが、次のように考え、作り(決め)ました。

経営理念

まず、自分は、何をすることに喜びを感じるのかを考えました。お節介な性格ですし、誰かに感謝されることに至福の喜びを感じます。また、昔、先輩に「お前は、泳ぎを止めると死んでしまうマグロみたいだな。」と言われました。言い得て妙だなぁと感心しました。「何もすることがない」状態は、好みません。

「金儲けがしたい」という経営理念もいけないことはありませんが、精神的な満足は得られないような気がします。

さて、私には、自分で何かを起業する能力もカリスマ性も人脈もありません。それなら、自分が持つ資格と知識を活かして、できる限り人のお手伝いをして、その方に事業を成功してもらえばよいと考えました。そもそも私は、がんばっている人を見ると応援したくなるタイプです。

そこで浮かんできたのが、「がんばっている人の成長を支援する」という言葉です。自分の性格や能力を考えると、トップに立つより、ナンバー2、参謀役の方が合うと思うし、やりがいを感じます。

なお、「成長支援」という単語は、幸い、ドメイン(seichoshien.com)もGmailもアドレス(seichoshien@gmail.com)も空いていたので、1年前に取得しておりました。メルアドは、info@seichoshien.comの方が良かったかもしれませんが、Googleのサービスをフルに活用するにはGmailを使った方が良いと判断しました。

ビジョン(望ましい未来像)

これは、中期的(例えば5年先、10年先)にどうなっていたいのかを考えます。

「望ましい」とありますので、事業が上手くいった自分自身を想像されたら良いかと存じます。単純に、「こうなっていたら大満足」というものを列挙さればよいでしょう。

ミッション(果たすべき使命)

ビジョン(望ましい未来像)を達成するには何をしたら良いのかを決めます。経営理念を、より具体的にしたものです。「この使命を果たしたら望ましい未来像が得られる」というものです。

バリュー(行動指針)

これは、使命を果たす上での、自らを律する規範(規則・基準)みたいなものです。「これをする」と決める一方で、「これはしない」と決めるパターンも重要です。

GAFAの経営理念

最後に、GAFAの経営理念を紹介します。さすがです。彼らの実際の行動にもこの理念が反映されていることが十分伝わります。

Google(グーグル)

Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。

Apple(アップル)

人へ社会へ、そして新たな価値を創造し続けることに挑戦し、新しい未来を切り開き、社会の発展に貢献する

Facebook(フェイスブック)

コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する

Amazon(アマゾン)

地球上で最もお客様を大切にする企業であること

まとめ

経営理念、ビジョン(望ましい未来像)、ミッション(果たすべき使命)、バリュー(行動指針)は、自分の行動を揺るぎないものにするためにも有効です。いつか目の前に現れる壁を前にしたとき、重大な選択をしなければならないとき、過去の自分がその対処策を教えてくれます。

「初心忘るべからず」と言いますが、初心は結構忘れがちです。初心は経営理念という言葉にして残しておきましょう。

なお、無理して、これら4つをすべて作る必要はありません。自分の理念に沿った言葉が1つでもあれば、それでも十分です。

また、経営理念は、一度決めたら変えてはいけないものではありません。自分の事情や世の中が変化した場合など、見直しても差し支えありませんので、申し添えます。

【編集後記】

自分の経営理念を考える過程でいろいろな企業のそれを見てみました。いずれも、「カッコいい」「おしゃれ」なものばかりです。私も、それに見習いたいと思いましたが、想像力と文才のなさに早々に諦め、平凡な言葉を選びました。でも、一言で誰でも分かる言葉なので、自分では気に入っております。

〈昨日の健康〉

木曜日の夜は、大人の卓球練習日です。大人相手だとラリーが続くし、ある程度のボールを打たないといけませんので体力を使いました。

[昨日の感謝]

昨日は、ある税理士事務所に伺いました。お世話になった上に、その土地の名物までいただいてしまいました。この名物は、母が特に大好きで、「ここ以上の羊羹はない!」と大喜びしておりました。(感謝!)

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