あなたの顧問税理士は勉強している？　税理士の研修受講状況を見る方法　#240

はじめに

税理士は、資格を有するまでに勉強が必要ですが、税理士になった後も、不断の勉強が欠かせません。

税法は、ボリュームが膨大な上に、毎年たくさん改正されます。そのため、「税法のことなら何でも知っている税理士」というのは存在しないと思っています（いらっしゃったらごめんなさい。）。さらに、税法は詳しくても、実務ができるかどうかは、また別物です。

税理士業を続けていくこと＝勉強を続けていくことだと、私を含め多くの税理士は考えています。

私は、ある勉強会（メンバーは全員税理士）に所属しています。

年5回（2月を除く偶数月）集まって、各自で持ち寄ったテーマを議論します。優秀なメンバーが揃っており、私は司会進行担当で、「勉強させてもらっている」立ち位置です。毎回とても為になっており、時間は2時間ですが、アッと言う間に終了する感じです。勉強後の懇親会も楽しみの一つです。

税理士は、所属税理士会及び日本税理士会連合会が行う研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。

税理士法では、研修は義務ではなく努力義務です。したがいまして、研修を受けなかったとしても処分の対象にはなりません。

また、更新制度もありませんので、どんなに不勉強でも税理士を続けることができます（仕事が来るかどうかは別ですが。）。

税理士会員は、その資質の向上を図るため、本会及び連合会が行う研修を受けなければならない。

こちらは義務ですが、罰則規定はありません。

税理士会員は、第2条に規定する研修を、一事業年度に36時間以上受けなければならない。

一事業年度は、4月から翌3月までをいいます。

細則第14条に規定する受講時間等の公表について必要な事項は、次のとおりとする。

(1)　連合会ホームページ（税理士情報検索サイト）に、一事業年度の研修受講時間等を掲載する。

(2)　前号の公表は、原則として当該事業年度の翌事業年度の10月1日に行うものとする。

この検索サイトをクリックして検索すると、自分の顧問税理士がどのくらい研修を受けているのかどうかを確認できます。また、顧問税理士を決める際の一つの指標にできると思います。

「罰則はない」とは言いましたが、不勉強であることは公開されますので、これが罰と言えるかもしれません。

なお、前述の勉強会のメンバーを確認したところ、全員36時間の受講義務を果たしていました。

中小企業診断士は、税理士とは違い、5年ごとに更新が必要です。

更新の条件は2つ。専門知識補充要件と実務要件です。前者では、理論政策更新研修を5回（1回4時間）修了しなくてはなりません。こちらは税理士とは違って義務であり、要件を満たさないと更新できません。あれほど苦労して取得した資格を手放したくないので、皆さん必死です。

原則として集合研修ですが、コロナ禍のときは1回だけオンライン研修を受けました。この場合、画面に顔を出しておかなければならず、サボったり、居眠りしたり、替え玉受講したりできません(笑)。この点、（時間は短いけど）税理士よりも厳しいですね。

義務はこれだけですが、私が所属する中小企業診断士協会南部会では、頻繁に研修を行っています。福岡県内の部会では、最も勉強する会だと認識しています。中小企業診断士は、経営に関する新たな知識を身に付け続けなければなりません。こちらも、勉強に終わりがありません。

コロナ禍がきっかけとなり、税理士会の研修も、集合型からオンライン型が中心となりました。私の場合は、ほぼオンライン型での受講で、事務所に居ながら研修を受けることができるので助かっています。

昨日も2件、オンラインで電子帳簿保存法と相続税の研修を受けました。不足する知識を補完していただけるので、とても助かっています。

【編集後記】

私は副業として、卓球センターを経営しています。

今まで卓球の指導は、ジュニア（中学生以下）のみが対象でしたが、今年4月から週1回（6月までの3か月間短期教室）、他の指導者と一緒に大人の初心者卓球教室を始めました。皆さん、とても楽しんで行っていただいています。

こんなに喜んでいただけるならと、7月以降に、新たな方を対象に、第2弾、第3弾の教室を計画しています。税理士の仕事はこれ以上増やさず、卓球に力を注ごうかなとも考えています。地域の皆さんの心身の健康に役立つことができれば、こんなに嬉しいことはありません。