借地料に消費税はかかるのか #81

税金や会計のヒント

質問

先日、消費税に関する質問を受けました。

くまぞう
くまぞう

借地料に消費税はかかりますか?

たこいち
たこいち

土地の貸付けは、課税対象から除かれています。ただし、一時的に使用するような場合は、課税対象です。

非課税

消費税法第六条

国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものには、消費税を課さない。

非課税とは、「本来、この法律では課税対象となるけど、特別な理由があって課税しないよ。」という規定です。そして、この条文で言う別表第一(抄)は、次のとおりです。

(別表第一)

一 土地(土地の上に存する権利を含む。)の譲渡及び貸付け(一時的に使用させる場合その他の政令で定める場合を除く。)

消費税は、「消費」に負担を求めるという性格があります。例えば、土地の譲渡は、「消費」という範疇に属しないことから消費税はかかりません。そして、同様の理由から、借地料(貸付け)も消費税はかかりません。

逆に、非課税の土地の貸付けにならない場合があります。それは、次のとおりです。

第八条 法別表第一第一号に規定する政令で定める場合は、同号に規定する土地の貸付けに係る期間が一月に満たない場合及び駐車場その他の施設の利用に伴つて土地が使用される場合とする。

土地の貸付けは非課税としていますが、その土地の貸付けからこれらは除外する(=「課税します。」)と言っております。

第8条の前段では、貸付けの契約が1か月に満たないうような一時的使用は、「土地の貸付けであっても課税します。」と言っております。一時的な資材置き場などが該当します。

後段については、国税庁が法令解釈通達を公表しています。

(土地付建物等の貸付け)

6-1-5 令第8条《土地の貸付けから除外される場合》の規定により、施設の利用に伴って土地が使用される場合のその土地を使用させる行為は土地の貸付けから除かれるから、例えば、建物、野球場、プール又はテニスコート等の施設の利用が土地の使用を伴うことになるとしても、その土地の使用は、土地の貸付けに含まれないことに留意する。

「例えば」以降の施設は、当然土地の上にあります。施設を利用するという事は土地も利用するということになります。そのため、賃料や使用料に「土地代相当分」が含まれていても、「土地の貸付けとはしません。課税します。」と言っております。

そして、この通達の注書きでは、駐車場と駐輪場について書かれています。

1 事業者が駐車場又は駐輪場として土地を利用させた場合において、その土地につき駐車場又は駐輪場としての用途に応じる地面の整備又はフェンス、区画、建物の設置等をしていないとき(駐車又は駐輪に係る車両又は自転車の管理をしている場合を除く。)は、その土地の使用は、土地の貸付けに含まれる。

整理すれば、次のいずれかの条件に合致すれば非課税、いずれにも該当しない場合は課税と言っております。

  • 地面の整備又はフェンス、区画、建物の設置等をしている。
  • 駐車又は駐輪に係る車両又は自転車の管理をしている。

まとめ

消費税法は少々厄介な部分があります。ミスをすると、納める税金が大きく変わる場合がありますので、個別の具体的な話は、専門家にご相談ください。

【編集後記】

税法は、「Aは〇だけど、AのうちBの部分は×、でもBの中にあるCは〇だよ。」というように書かれていることが多いので読みにくいです。いつも、頭の中で整理しながら読むのですが、ときどき混乱してしまいます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました