「クラウド」とか「クラウド会計」とか言っているけど今までの会計ソフトと何が違うのか

税金や会計のヒント

クラウドとは

「クラウドとは、「クラウドコンピューティング(Cloud Computing)」を略した呼び方で、データやアプリケーション等のコンピューター資源をネットワーク経由で利用する仕組みのことである。」総務省「平成30年版情報通信白書」より

調べてみましたけど、簡潔・明瞭な定義はありませんでした。

幅広い概念みたいで、広義のクラウド、狭義のクラウドがあるようです。

クラウド会計とは

しかし、クラウド会計という場合のクラウドは、ある程度限定されている感じを持っています。前述の言葉を使えば、狭義のクラウドです。

クラウド会計に関する本を何冊も持っていますが、だいたい同じ感じです。

アプリケーション(ソフト)もストレージ(データ保存)もクラウド上でやるものが私にとってのクラウドですね。

つまり、私が「クラウド」と言う言葉を使う場合は、ブラウザ(インターネットエクスプローラー、Googleクロームなど)の上で動くものを念頭に置いております。

1年前、「クラウド」を謳っていたある財務ソフトを購入しました。ところが、単にネット経由でソフトをダウンロードするだけの物でした。「(これをクラウドと表してよいのか?)」と心の中でツッコんでしまいました。もちろん、作成されたデータも、ネットではなく自分のパソコンに保存します。

インストール型とクラウド型の違い

インストール型クラウド型
パソコンにソフトウエアをインストールして使うパソコンにソフトウエアをインストールしない
パソコンにデータを保存するパソコンにデータを保存しない
メンテナンス(更新)が必要であるメンテナンス(更新)の必要がない
インストールしたパソコンしか使えないどのデバイス(パソコン、スマホ、タブレットなど)でも使える

クラウドのメリット

  • クラウドなので、いつでもどこでもインターネット環境があれば利用できる
  • リモートで作業ができる
  • パソコン、タブレット、スマートフォンなど多数のデバイスから操作が可能である
  • パソコンが故障しても他のデバイスで利用できる
  • OSや端末を選ばないので、MacやiPhoneでも使える
  • パソコンを買い替えてもソフトを入れなおす必要がない

クラウド会計のメリット

  • 常に最新情報を見ることができ、会社の状態をリアルタイムに把握できるため、経営の意思決定にスピード感を持たせることが可能になる
  • 経営者も、経理担当者も、顧問税理士も、作業終了と同時に同じタイミングでデータ見ることができる
  • 複数のメンバーが同時に作業できる
  • 銀行融資や節税対策の必要性について、早期に判断できる
  • 銀行口座、クレジットカード、電子マネー、POSシステム、ウエブ通販等の取引データを自動で取り込むことができる
  • 自動で取り込むことで入力(タイプ)ミスが減る
  • 請求書や領収書をスマホやスキャナーで読み取って取引データが自動で取り込まれる
  • 取り込まれたデータは、自動仕訳機能により会計伝票(仕訳)を提案してくれる
  • 自動仕訳機能は、学習機能により、使うたびに精度が上がっていく
  • パソコンにソフトウェアをインストールする必要がない
  • ソフトウェアやデータベースのメンテナンス(アップデートなど)をする必要がない
  • メンテナンスの間パソコンが使えなくなるということがない
  • 見積書や請求書も作成・管理できる
  • 65万円の青色申告特別控除に必要な貸借対照表が簡単に作成できる
  • データは、金融機関レベルの厳重なセキュリティで保存されており、自社で管理するより安全と言える
  • 給与業務、顧客管理業務、経費精算業務などの周辺業務との連携がスムーズ

クラウド会計のデメリット

  • インターネット環境がないと使えない

私が使う限りの話ですが、これ以外のデメリットが見当たりません。

自動で仕訳がされている快適さ

クラウド会計にログインすると、すでに仕訳が並んでいます。人間は、それを確認して「登録」をクリックしていくだけです(「一括登録」という機能もあります。)。

時間がないなどの理由により税理士事務所に丸投げ、又は入力をお願いしたい方は別です。専門家への外注は、それはそれで適切な経営判断です。

ただ、物事を効率的することが好きな私は、クラウド会計ソフトに出会って良かったと、心から思っています。

試算表も申告書も自動で作成

今年度の途中経過の経営成績である試算表も作成されます。自分で入力しておけば、そこまでの数字がリアルタイムで見ることができますので、翌月、税理士が持参する試算表を待つということもありません。クラウド会計でなくても、既に自計化されている会社も、同様でしょう。

申告書も同様です。所得税と消費税であれば、その時点で決算した場合の納税額が分かりますので、早期に節税対策や納税準備をすることもできます。

私のクライアントには、来月、この両書類の出し方をお教えする予定です。コンピュータの操作に抵抗がない若い方々なので、既に見られておられるかもしれませんけど。

まとめ

その方の帳簿を作成する目的によりますが、「記帳なんて面倒、自分では何もしたくない。」という方を除けば、クラウド会計ソフトはとても便利なツールです。

一度ご検討ください。

【編集後記】

先輩方から「税理士事務所を開設すると営業がすごいよ」と聞いておりました。実際に、私のスマホに毎日いくつもの着信が入ります。いきなり営業に来られた方もいらっしゃいます。申し訳ございません。せっかくですが私は、以前から、いろいろと研究をしておりまして、何を購入するか、どこと契約するかは決めておりました。私に営業をかけられても時間がもったいないだけです。他の方にエネルギーを注がれることをお勧めします。ホームページに電話番号を掲載していない理由の一つも、そのためです。

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