2つの目的
この研修を受けたのには、2つの目的がありました。
1つは、単純に、中小企業の経営改善計画を策定支援する勉強がしたかったからです。財政的に困難な状況に陥った中小企業をどう救うのかを実践的に学びたかったのです。
もう1つは、自身の事務所を「経営革新等支援機関」に認定申請するためです。これに認定されれば、顧客のためにいろいろな支援(節税、融資、補助金など)が可能となります。
しかし、認定されるには条件があり、私は開業して1年未満ですので、「中小企業・小規模事業者に対する支援に関し、3年以上の実務経験を有するか」というものを満たしておりません。
この場合、経験が3年に満たない者にとっては、この研修の修了とその後の試験の合格が代替条件となっているのです。
研修の時限表
研修は、2月9日(火)と10日(水)、中小企業大学校東京校において開催されました。中小企業大学校とは、経営者や中小企業診断士などが、経営について学ぶ施設で、全国に点在しています。九州では、福岡県直方市に直方校があります。
新型コロナの影響で研修の開催が危ぶまれていましたが、徹底した感染対策を採った上での初めての研修で、スタッフの皆さんの緊張が伝わってまいりました。幸い、1か月経っても何の連絡もありませんので、対策が功を奏したようです。
初日のオリエンテーリングと2日目の修了証書の交付以外は、ほぼグループによる討議と発表のみです。私のグループには、税理士、公認会計士、行政書士そして中小企業診断士(兼税理士:私)でした。グループ分けの際には、わざと、専門をバラバラにしたのかもしれません。
「資金繰りに困っている佐藤土木株式会社(架空)の支援するために、運転資金の融資を依頼する金融機関を納得させるだけの経営改善計画を策定する。」というものがテーマです。
社長へのヒアリング、財務上の問題などの現状分析及び経営課題・問題点の抽出、経営改善計画の基本方針及び具体的施策の決定、経営改善計画の計数計画の策定、経営改善計画の策定まで、4人グループで叩き上げます。
文字どおり、「実践」的な研修で、グループの皆さんは、いずれも経営についてしっかりとした知識をお持ちの方ばかりで、グループ討議は活発に行われました。
グループの皆様のお陰で、2日間の中身が濃い研修を、無事に修了することができました。
実践研修の感想
受講料、飛行機代、宿泊代などの金銭的負担や時間的制約は少なくはありませんでしたが、私の感想は、「受講して本当に良かった。」というものです。このような会社に出会う機会は、そう多くはないかとは思いますが、いざ出会った場合の対応は、知っているのと知っていないのとでは大違いです。
お陰様で、自信が付きました。また、知らなかったこと(知識)を知る(得る)喜びは、何歳になってもワクワクします。
実践力判定試験
実践研修の修了後、引き続き、実践力判定試験が行われました。制限時間は90分。
しかし、前述のとおり、この2日間の研修は、ほぼグループ討議ばかりで、講義は僅かしかありませんでした。各グループが策定した支援策に、絶対的な正解はありません。そのため、「(この研修内容でどんな問題が出るんだろう?)」と不安が募ります。
問題を開いたところ、案の定、実践研修では教わらなかった問題が大半です。「実践研修を受けに来るくらいだから、当然このくらい知っているでしょ?」と言わんばかりの問題でした。
しかし、数年前に受検した中小企業診断士の試験勉強で培った経営コンサルタントとしての知識がここで役立ちました。もしも私が、税理士としての知識だけで臨んでいたとしたら、この試験は合格しなかったことでしょう。
「合否通知在中」を「合格通知在中」と読み間違え、「(封筒開けずに分かるじゃん。)」と思い込んでいました。幸い合格していましたけど。そんなはずはありませんよね。ああ、恥ずかしい。
無事に合格しておりましたので、さっそく、自身の事務所を「経営革新等支援機関」に申請いたしました。
【編集後記】
ときどき、マイクを片手に「命をかけて●●します。」とおっしゃる方がいます。私は、このような方は信用できません。口先だけの人に見えてしまうのです。このようなこと(気持ち)は心に秘めるもので、アピール(宣伝に利用)するものではないというのが私の考えです。
出来なかったら命を絶たれるのでしょうか。聞いたことはありませんが。
「信用」。得るまでには長い時間がかかりますが、失うのは一瞬です。私たちの仕事は「信用」あってこそ。命の次に大事な、いや、命以上に大切かもしれないものを扱っていますから。
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